お正月の風習といえば、必ず鏡餅を飾りますよね。
大きさの違う丸いおもちを重ねて一番上にはみかんをのせ、玄関や床の間に飾り新年を迎えます。
日本人なら誰でも知っている鏡餅ですが、よくよく考えてみるとなぜおもち?なぜ一番上にはみかんなんでしょう?
鏡餅には不思議がいっぱいですが、飾り方も地方によって違いがあるようです。
今回は鏡餅の飾り方についていろいろ調べてみました。
関西の鏡餅の飾り方
そもそ元旦には、年神様といわれる神様が一年の幸福を家庭にもたらすためにやってくると言われています。
鏡餅はその年神様の依り代(神霊が寄りつく対象物のことを指します)となるのです。
鏡餅の飾りは何を意味しているか知っていますか?
【橙】
一度実がなれば4.5年以上落下せず、新しい実を加えつつ何代もの橙が枝についたままひとつの木に育っていく。
このことから家系代々の長寿と繁栄、健康長寿の家庭・家族を願う意味がこめられている。
鏡餅にはみかんをのせるイメージが強いが、正式には橙を置きます。
みかんは橙に似ているということで代用されそのイメージが根付いたようです。
【昆布】
昔は昆布のことを『広布(ひろめ)』と呼んでいた。
『広める』という意味があり、蝦夷(えぞ)で取れることから夷子布(えびすめ)と呼ばれていた。
このえびすめは、七福神の恵比寿の意味とも掛けられていて、福を授かる意味合いとしている。
【裏白】
古い葉が落ちず、新しい葉が重なって出来る裏白は、表面は緑、裏面は白くなっている。
そのことから、心に裏が無い清廉潔白を願って白髪になるまで長寿を願う意味とされている。
【串柿】
幸せをカキ集める、柿は長寿の木として縁起のいい木です。
『嘉来』(かき=喜び幸せが来る)という意味もあり、語呂合わせになっている。
基本的な飾りの意味はこのようになります。
深く知らないことも多かったですよね。
では、その鏡餅を関西ではどのように飾っているのでしょうか?
各家庭によって多少のちがいはあると思いますが、関西の一部地域では三段重ねの鏡餅をお供えする風習があるようです。
三段重ねの鏡餅というのは丸餅3個を三段に重ねた鏡餅のことをいいます。
この三段重ねの鏡餅を飾って、家族の健康・食の安全・火の安全を願います。
また、関西では鏡開きの時期も関東と少し違いがあります。
・松の内 ⇒ 1月15日まで
・鏡開き ⇒ 1月20日
関西ではこのようになっています。
関東の鏡餅の飾り方
関東での鏡餅の飾り方は、特別変わったこともなく、大きさちがいの丸餅2つにみかんをのせるごく一般的なものです。
おそらく東北や北海道もこの飾り方が多いのではないでしょうか?
関西との違いは、
・松の内 ⇒ 12月13日~1月7日
・鏡開き ⇒ 1月11日
このようになっています。
鏡餅の飾り方 福岡では
同じ地域でも、各家庭や更に一部の地域で飾り方は異なりますが、福岡での鏡餅の飾り方と一般的な飾り方に大きな違いはないようです。
また、福岡ではユズリハを飾るそうです。
ユズリハも縁起物とされていて、新しい葉っぱが成長してから古い葉っぱが落ち…ということを繰り返し、親から子へ、子から孫へと代々家が栄えていく象徴とされています。
両方ある場合は、どちらも飾ると良いといわれています。
鏡餅の飾り方 熊本では
熊本には、熊本ならではの鏡餅の飾り方があり他の地域ではほぼ聞かないお供えもあるようです。
丸餅2つを重ね更に橙をのせ、それを三方に飾ります。
裏白やユズリハも飾るのですが、ここまではどの地域とも変わらない一般的な鏡餅の飾り方ですよね。
さらにこの他に、半紙に包んだお米とお塩も一緒にのせるそうです。
この鏡餅が熊本ならではの飾り方なんだそうです。
ちなみに…
鏡開きをして鏡餅を食べるときは、刃物を使わないのが基本です。
『切る』という行為は武家社会において切腹を意味するとして縁起が良くないと言われているから。
木槌で叩くか、水に浸して柔らかくなってから手でちぎるのもOK
でも、どうしても割れない時は包丁を使っても大丈夫です。